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【高齢者必見!】毎日の習慣で転倒予防!ケガを防ぐ3つのポイント

【高齢者必見!】毎日の習慣で転倒予防!ケガを防ぐ3つのポイント

概要

消費者庁の調査によると、高齢者の転倒・転落による事故は交通事故の4倍以上と報告されています。
令和6年4月に報告された「高齢者の事故防止等に関するアンケート調査 報告書」においても、日常生活でつまずく、転ぶ、よろめく」という経験が、居間や寝室など家庭内のさまざまな場所で圧倒的に多いことが明らかになっています。

これから高齢化社会がさらに進む中、日常生活での転倒予防の知識は欠かせません!
今回は、老人ホームなどの高齢者施設を中心に年間4~6回ほど転倒予防教室を実施している経験から、日常で役立つ転倒予防の対策を紹介いたします。

転倒予防教室の実施した経緯

まず私が転倒予防教室を実施するようになった経緯をお話させてください。

平成8年に勝俣接骨院を開業しました。当初は地域での信用がまだなく、高齢者の方が新患として来院されるまでに1年が経過しました。今でこそ多くの高齢者の方が来院されていますが、開業当初は、地域に受け入れてもらえるまでは新参者としての苦い思いを抱えていました。

その後、患者数が増え、高齢者の方の来院も徐々に増えていきました。新患の患者さんには予診票を記入してもらい、どこで、どのようにケガをしたのかを詳しく書いてもらいます。数年経つと、家の外で転倒している場所に共通点があることに気づきました。

私の開業しているあざみ野には、以前はカリタス女子短期大学がありました。カリタスを横目に観て一本通る真っ直ぐな道は桜の名所で開花の際は行き交う人の肩が触れ合うほどです。この道は桜の根っこが張り出していて、歩道もデコボコしています。

ふと気がついて、昼休みに見に行ったことがあります。 

この道で人とすれ違う時に転倒する方の多い事に、過去の患者さんからの予診票を見て気づきました。

そんなとき、転倒予防学会が発行する『転倒予防教室』という本に出会いました。
その本を手にしたときのワクワク感を今でも覚えています。読み進めるうちに、転倒は単なる偶然やうっかりではなく、ある一定の条件が原因で起こることを知りました。

 
その後、治療室で本から得た知識を患者さんに話していたところ、ある高齢者施設の施設長から講演依頼を受けました。幼い頃から生徒会長や柔道部のキャプテンをしていたこともあり、人前で話すことには抵抗がなかったため、講演を引き受けることにしました。

今振り返ると、当時は転倒についての知識もほとんどなかったのに、勢いだけで講演に臨んでいた自分の若さに驚かされます。最初の講演でお会いした方々の顔は今でも鮮明に覚えています。私の拙い話に、まるで応援団のように相槌を打ってくださり、テンポよく話すことができたことを、昨日のことのように思い出します。

このような経験を積み重ねながら、2014年から現在まで多くの高齢者の方々に転倒予防についてお話しさせていただいています。

転倒を予防する対策

では具体的に転倒を予防する3つの対策をご紹介していきます。

1.“ぬかづけ”を徹底する!

“ぬかづけ”は、転倒予防の重要なキーワードです。

もちろん、ここで言う“ぬかづけ”は食べ物のことではありません(笑)

転倒予防においての「ぬかづけ」とは、日本転倒予防学会が提唱しているもので、
転倒しやすい場所の頭文字を表しています。それぞれの場所と注意点・対策について解説します。

ぬ = れた場所

ぬかづけのぬ「濡れている場所」

雨や雪などで滑りやすい地面(マンホールの上、横断歩道の上など)、落ち葉の上、日常生活ではキッチン、洗面所、お風呂場などが該当します。

対策としては以下になります。

  1. 滑りにくいマットを敷く
  2. こまめに水分をふき取る
  3. お風呂場や洗面所に手すりをつける

か = いだん

ぬかづけのか「かいだん」

階段や玄関など段差のある場所は特に注意が必要です!
手すりを使いながら、ゆっくりと移動しましょう。

づけ = かたづけられていないところ

ぬかづけのづけ「かたづけられていないところ」

片付いていない部屋は、つまずく原因になるので、できるだけ床に物を置かないようにしましょう。駐車場の車止めのように高さのあるものは目に入りやすいですが、
電気のコードや敷居、座布団などの低いものは見えづらく、つまずきやすい傾向があります。

特に電気コードは、季節ごとに扇風機やヒーターを使用する際、移動する通り道に置かれることが多いと思いますが、なるべくコードが通り道にかからないように配置することをおすすめします。


また、「か=いだん」にも関連することですが、
階段の片側に物を置く方が、たまにいらっしゃいます。
こちらも物をおかないようにして歩くスペースを十分に確保してください。

2.筋肉の貯金をする

高齢になると、体を動かすのが億劫になることもありますが、こまめに体を動かすことが大切です。お金の貯金と同様に、筋肉も少しずつ貯めることができます!

ここでは、高齢者におすすめのトレーニング方法と日常でできることを紹介します。

柔軟体操(ストレッチ)

1.立った状態で手を前に出し、脚を肩幅より広く開いて、つま先を少し外側に向けます。
※目線はまっすぐ!

転倒予防ストレッチその1

2.体を4分の1だけしゃがみ、3秒間その姿勢を保ちます。

2.体を4分の1だけしゃがみ、3秒間その姿勢を保ちます。

3.3秒でゆっくり上がる。この動作を繰り返します。

心配な方は何かにつかまって行いましょう!
※頭を下げずに、目線をまっすぐ保つことがポイントです。

ストレッチで頭を下げてしまっている間違った姿勢

間違った姿勢

ストレッチで頭を下げずに、目線をまっすぐ保っている

正しい姿勢

この柔軟体操(ストレッチ)は、1日1セットから始め、最大で3セットまで行うと効果的です。回数は1セットにつき10回を目安にしましょう。
実施しただけで満足せず、しっかりと脚にスクワットの効果が感じられるか意識することが大切です。

【高齢者必見!】転倒予防のための簡単なストレッチ

日常でできるちょっとした運動の知識

買い物に行く際には、行きは荷物が少ないので、あえて遠回りして歩くのがおすすめです。
帰りは荷物があるため、いつも通りの道を歩きましょう。

このような工夫をすることで、特別な筋トレをしなくても、
自然に筋力をつけることができます。

3.水分を毎日決めた量を飲む

水分が不足すると筋肉が痙攣しやすくなり、
転倒しやすくなります。

例えば、体重が50kgの方は、起床から正午までに300ml、昼食後から夕食までに500mlを目安に水分を取りましょう。

味噌や白米、サラダなど、さまざまな食材にも水分が含まれていますが、年齢を重ねるごとに喉の渇きを感じにくくなります。
そのため、喉が渇いたと感じてから飲むのではなく、常に口の中を潤った状態に保つことを意識してください。

特に女性の方は、トイレに行くのが面倒と感じるかもしれませんが、寝る前にはコップ一杯の水を飲むことをおすすめします。

まとめ

高齢化が進む中、転倒予防の対策はますます重要になります。日常生活の中で“ぬかづけ”を意識して注意することで、転倒のリスクを減らすことができます。

また、筋肉を鍛えることや適切な水分補給も転倒防止には欠かせません。
少しの工夫と心がけで、安全で快適な生活を送ることができます。

これからの生活に、ぜひ今回の対策を取り入れてみてください。
もし疑問点やご相談があれば、ぜひ当院にお越しください!