かつまたかわらばんNo.206 「アンブレラ」
森 航太
6月に入り雨が降る日が多くなる時期がやって来ました。今月は『傘』を持ち歩く日が多くなってくると思います。そこで今回はその『傘』について簡単ではありますが説明させていただきます。
百済(今の朝鮮半島)聖王の使者が552年に欽明天皇へ幢幡を献上したと書かれており、当初は降水に対してではなく日傘として用いていましたが、その後日本独自の構造的変化に伴い、降水に対して使う事が多くなりました。
「傘」とは別に「笠」と書くことがあります。手に持って差しかけて使う物の総称を「傘」といい、頭部に直接かぶって使う用具を「笠」と言います。
日本語では、使う目的によって雨傘と日傘と区別しており、日本の伝統的な工法と材質で作られたものを「和傘」、西洋の伝統的な工法と材質で作られたものを「洋傘」または、「こうもり傘」と区別しています。
英語では、雨傘をアンブレラ、日傘をパラソルまたはサンシェイドと区別しますが、これらは語源上、日傘の意をさします。
イタリア語でアンブレラは影の意をもつラテン語「umbra」から転化したもので、もともとは「影をつくるもの」という意味であり、「太陽から守る」という意をもつパラソーレは日焼け用具としての傘の呼称として用いられます。
簡単ではありましたが、傘にはこのような歴史と呼び方があります。6月には梅雨があり、昨年の夏には台風が連続するなどの異常気象がありました。天気が怪しい日は折り畳み傘などを持って外出して、体調には気をつけましょう。