かつまたかわらばんNO.154 「冷湿布と温湿布」
小野 智博
寒さが厳しくなってくると、冷湿布と温湿布のどちらを使えばいいのか迷いがちです。そこで、今回は2つの湿布の違いについて説明します。
基本的にはどちらも消炎鎮痛剤を使っているので、薬の効果としては同じものです。
冷湿布は急性の痛みに使います。
炎症を起こしている場合に使用し、成分にメンソールを含み、冷感による消炎作用を狙います。
温湿布は神経痛や腰痛などの慢性的な痛みに使います。
主に血行の改善を目的としていて、それ自体が高温になるものから、カプサイシンを含み、浸透することによって血管の拡張を狙っているものなどがあります。
しかし、冷湿布も温湿布も血行を変化させるほどの筋肉の大幅な温度変化は見られないとされています。湿布はどちらも、脳へ痛みを伝える神経線維よりも「冷たくヒンヤリする」「温かくポカポカする」という感覚の神経線維の方が太いので、速く脳へ湿布の気持ちの良い感覚を伝え、湿布を貼ることで痛みを抑制して症状が緩和されたように感じるのです。
炎症を起こしているところに温湿布を貼ると血流量が増して腫れを助長したりすることがあります。
湿布は症状に合った不快感のないものを選び、正しい使い方をするようにしましょう。
詳しくはスタッフまでお聞き下さい。